私は無実、「日産愛」をアピールし、全面対決へ 第3回 法廷

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かつて会見で雄弁に語っていた面影はなく、法廷に現れたゴーン氏はやつれた姿だった。写真は2016年(撮影:今祥雄)

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いまだ終わりが見えないゴーン事件。衝撃が走った2018年11月の逮捕から何があったのかを振り返ります。下記は2019年1月9日に配信した記事の再録です。

 

「I am an innocent of the accusations made against me、私は無実です」

日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)が東京地検特捜部に逮捕された「ゴーン・ショック」から51日。2019年1月8日に東京地裁で開かれた勾留理由を開示する法廷で、ゴーン氏は自身にかけられた嫌疑を真っ向から否定した。

無実を訴えるだけでなく、「私は人生の20年間を日産の復活とアライアンス(企業連合)の構築にささげてきました」と、日産とフランスのルノー、三菱自動車の3社連合を販売台数で世界2位にまで育て上げた自身の功績への自負をのぞかせた。

傍聴の抽選倍率は80倍

昨年11月19日の逮捕以来、初めて公開の場に姿を現すカリスマ経営者の言動に注目が集まった。開廷は午前10時半だったが、早朝から地裁周辺の歩道を埋め尽くすほどの人が殺到。三カ国の国籍を持つ著名な経営者の事件は世界的にも関心が高く、海外メディアの姿も目立った。

2019年1月8日、傍聴券を求めて1000人以上が並んだ(記者撮影)

一般傍聴席として割り当てられた14席に対し、集まったのは1122人。抽選倍率は実に80倍。午前8時過ぎから並んだ20代の男性は「テレビ局のアルバイトで並んだ。バイト代は1500円で割がいい。ほかの裁判にも並んだことがあるが、人数は今回の方が圧倒的に多い」と驚いていた。

裁判官1人と弁護人3人、検察官2人が待ち受ける法廷にゴーン氏は黒色のスーツと白色のワイシャツ、ノーネクタイのいでたちで現れた。

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