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「個人はコロナ終息後の消費増に意欲」 「コロナ禍の下で活発なSPAC上場」ほか

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有力機関による調査・研究リポートからビジネスに役立つ逸品をえりすぐり、そのエッセンスを紹介。

個人はコロナ終息後の消費増に意欲

── ワクチン接種の効果は限定的か

・経済産業研究所「新型コロナ、ワクチン接種と消費行動」(2021年8月)
・経済産業研究所所長・CRO、一橋大学経済研究所教授 森川正之
東京・大手町の自衛隊大規模接種センターの様子(PIXTA)

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日本の家計消費支出はコロナ禍前より減少した状態が続いている。海外ではワクチン接種が早かった国ほど経済回復が進んだ。政府や日本銀行の経済見通しは、ワクチン接種が進むことによる回復を期待するが、ワクチン接種が消費行動に及ぼす効果は不確実性が高い。本リポートは、コロナ禍の消費への影響、終息やワクチン接種が消費行動に及ぼす影響に関する今年7月の調査結果を分析している。

コロナ終息後に消費を増やす意向を持つ人は26.9%だったが、自身のワクチン接種(接種済みと接種予定)によって消費を拡大すると答えた人は13.7%にとどまった。ワクチン接種後の消費拡大意欲は、コロナ禍の下で消費が減少した割合の大きい高所得層や、昨年のGo To キャンペーン利用者で強く、男性より女性で強い傾向もあった。

この調査結果から、ワクチン接種拡大が、積み上がった強制貯蓄の取り崩しによるペントアップ需要(リベンジ消費)を増やすかもしれないものの、感染が終息するまでは、ワクチン接種による消費拡大効果は限定的になる可能性が示されている。

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