民進玉木氏「アベノミクスへの対案」を語ろう 「こども国債」発行で国民の未来に投資を

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民進・玉木国会対策副委員長は「安倍首相は国民に口当たりのいいことばかり言う『究極のポピュリスト』」と批判。一方で未来の日本や日本人をサポートする「対案」も用意。玉木氏提案の「こども国債」とは?
第8回は、民進党の玉木雄一郎国会対策副委員長。「2009年当選組」として、与党時代の旧民主党といまの野党時代を両方経験している「3期生」若手有望株の一人。予算委員会やTPP特別委員会のメンバーとして、国会で安倍首相を激しく追及した。財政通としても知られる玉木氏は自民党政治の問題点をどうとらえるのか。また今の民進党には何が足りないのか。有馬氏が迫る。

安倍政権の「三つの深刻な問題点」とは

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有馬:まず参議院選挙の一つの焦点である「安倍政権の経済運営」についてお聞きします。安倍首相は6月2日に、伊勢志摩サミットも利用して「消費増税の再延期」を決めました(当初2015年10月→2017年4月→再延期で2019年10月実施へ)。民進党は「公約違反調査チーム」(座長:山井和則国対委員長代理)もつくって、国会でも追及したわけですが、安倍政権のどんな点が問題だとお考えですか。

玉木:今回、安倍首相が一連の消費増税再延期を決定する過程を検証しましたが、多くの問題点が浮き彫りになりました。なかでも深刻な問題点が三つあります。①国の政策決定過程をぐちゃぐちゃにした②政治不信を一段と増幅させた③増税再延期による「副作用」を明らかにしなかったことです。しかも国会閉会日に増税延期を発表するなど、国会軽視も甚だしいものがあります。

一つ目の「政策決定過程」の問題からお話をします。今の世界経済は安倍首相が言うような「リーマンショック前夜」ではありません。安倍政権は参議院選挙をにらんで増税再延期の言い訳を必死に探していました。それに無理やり伊勢志摩サミット【5月26日(木)~27日(金)】を使ったわけです。しかも、経済分析の所管官庁である内閣府や増税延期に慎重な財務省を外して、首相周辺の側近だけで極秘に資料を作成、サミットの場を使って、政府の公式の経済判断をねじ曲げました。これは「経済政策のクーデター」のようなものです。

というのも、サミットが開催されるわずか3日前の23日(月)には安倍首相も出席して月例経済報告等に関する関係閣僚会議が開かれました。ここで了承された5月の月例経済報告では、現状の世界経済を「ゆるやかに回復している」としていました。

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