「野球ビジネスを変えた男」が群馬で挑む球都再生 千葉ロッテ、パ・リーグ、侍ジャパンの次は…

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大学でエンジニアリングを学ぶ傍ら、野球をした。大学卒業後はIBMに入社する。

「1985年に通信の自由化で、NTT以外の企業も通信事業に参入することが可能になり、IBMに通信網技術の部署ができて、そこに配属されました。通信網開発のエンジニアとしてキャリアをスタートしました」

入社後も週末はIBMで27歳くらいまでオール調布で社会人野球をしていた。どこまで野球が好きなのか、と思う。

「当時、通信技術はアメリカが先行していたため、技術書は全部英語でした。必死で勉強をしてTOEICで905点を取るまでになりました」

30歳のとき(1995年)にヘッドハンティングされイギリスのケーブルアンドワイヤレスという老舗の通信会社に入る。この企業が世界初のインターネットサービスプロバイダーであるアメリカのUUNETと提携して日本にハブを作ることになり、荒木氏はそこでインターネットに出会う。

その後、UUNETを買収したMFSというアメリカの通信会社が日本法人を設立することになり、その立ち上げに加わる。さらに1998年には欧州最大手の通信会社であるドイツテレコムの日本法人に転職し、のちに同法人の代表取締役CEOになる。

40歳を過ぎて「野球の虫」が騒ぎ出す

インターネット技術のトップランナーとして走ってきた荒木氏だが、40歳を過ぎて、突如「野球の虫」が騒ぎ出すのだ。

きっかけは2004年の「球界再編」だった。

「いったい何が起こっているのか知りたかったのですが、当時はまだメディアの情報量も多くなかった。そこで故広瀬一郎さんが東京大学でやっていたスポーツマネジメントスクール(SMS)に入りました。講師の一人にプロ野球選手会の弁護士がいたからです」

広瀬一郎氏は元電通マン。スポーツビジネスの世界で活躍するとともに、日本に本格的な「スポーツマンシップ」の考えをもたらした人物としても知られる。

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