おおさか維新、本格的な国政政党を狙う 評論家・塩田潮が浅田均政調会長を直撃

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おおさか維新の原点は、2008年1月の大阪府知事選で初当選した橋下徹氏(前大阪市長。前おおさか維新代表)が2010年4月に設立した大阪維新の会だった。橋下氏、自民党府議団のメンバーで橋下知事実現の応援部隊として駆けつけた松井一郎氏(現大阪府知事)と浅田氏のトリオが結党以来の三本柱である。3人はそれぞれの個性を活かし、役割を分担し合ってグループ全体を動かしてきた。アピール力抜群の橋下氏が「党の顔」、人脈ネットワークと交渉力が武器の松井氏が「組織と選挙の元締め・中央政界とのパイプ役」、政策に明るい浅田氏が「党の頭脳」という組み合わせである。

今、橋下氏は大阪市長も党代表も辞め、おおさか維新でも「政策・法律顧問」という形で一線から身を退いた格好だ。後任代表の松井氏は大阪府知事として大阪都構想への再挑戦など大阪の改革を担う。

一方、浅田氏は今夏の参院選への出馬を決めた。「結党トリオ」の中で初めて国政に挑むが、改憲原案発表と併せて、地域政党として出発したおおさか維新が本格的に国政政党の道に踏み出したと見ることができる。

浅田氏は参院選で「地方から国の形を変える」「大阪を副首都に」「大学までの教育無償化」を重点政策として掲げる。「『統治機構改革』が第一ですが、わかりにくいという声も多いので」と笑いながら明かした。以下、浅田氏へのインタビューをご紹介する。

国民の権利と義務、地方と国にどう配分するか

塩田潮:今夏の参院選に大阪選挙区から出馬が決まりました。国政進出の目的と狙いは。

浅田均(おおさか維新の会政調会長):僕らは日本に必要な改革を国に先駆けて大阪でやったと自負しています。改革の必要性は全国的に認知されていくと思いますし、改革を国全体に広げていけたらと思っています。統治機構の改革が必要で、そのための憲法改正と考えています。将来的には首相公選制と道州制と一院制をセットにした改革が必要と主張してきました。

一院制の実現は、いきなりは難しいから、そこに至る過程で、衆議院を圧倒的に優越にするとか、地方の首長の権利を認めて、参議院は地方の意見を反映させる場にするのもいいと思います。道州制も現憲法の第8章「地方自治」となっている章に書き込む。

基本的には国民の権利と義務を地方と国にどう分配するかというのが重要な点で、それを憲法で明確化する。

統治機構改革を保障し、法令の抽象的合憲性を審査できるようにするために憲法裁判所の創設を唱えています。それには現憲法の第6章「司法」の章を変更しなければなりません。

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